与えられた初等関数 \( f(x) \) (多項式、分数関数、三角関数、指数関数、対数関数などの組合せ)に対して、\(y=f(x) \) のグラフを描くとき、脊髄反射的に微分して増減表、、、としていた私へ。
増減表の前にやるべきことがたくさんあります。増減表を書くまえにやれる工夫の質と量こそが数理能力の高さを示している気がします。
さて、細かい微分計算などを行うまえにやるべきこと。それは、知っている基本的な曲線の組合せで概形を描いてしまうこと。
ここでは、二つの関数のグラフ \( y=f(x) \) と \( y=g(x) \) から、掛け算のグラフ \( y = f(x) g(x) \)の作り方。
まず、\( f(x) =x \) と\( g(x) =x \) から、\( f(x) g(x) =x^2 \) を作る場合から。つまり、
$$ y=x\to y = x^2 $$
という変形を眺めます。
グラフの掛け算では、
- 0を掛けると0
- 1を掛けても変わらない
- 1より大きいものを掛けると大きく
- 1より小さいもの掛けると小さく
- 負の数を掛けるときは、先に -1倍、つまりx軸に対して折り返しておく
といったことに気をつけます。
- \( 0< x < 1 \) で \( y = x \) がx軸に近づく
- \( 1 < x \) で \( y = x \) がx軸から遠ざかる
- \( -1< x < 0 \) で \( y = – x \) がx軸に近づく
- \( x< -1 \) で \( y = – x \) がx軸から遠ざかる
ことで、\( y = x \) から \( y = x \times x = x^2 \)が得られます。
下の動画は、\( y = x \) から \( y = x^2 \) への変形の様子。
原点付近の拡大図。下に凸となる様子がつかめます。